カイロでお肉を食べに行こう、なんていうときには大抵炭火焼き肉のケバブギーになるのですが、さすがは肉食のエジプト。ケバブギー以外にも肉料理の専門店はいろいろあるのです。
内臓好きには茹でた内臓をドドンと豪快に盛ってくれるマスマトがおすすめ。カイロだと「サイイダ・ザイナブ」という地域がマスマト密集地帯として有名です。
レバーだと、それこそ無数にレバーサンドイッチの屋台があり、安く手軽に食べられます。
しかし、真の肉好きなら、「ニーファ」の専門店を試さないわけにはいきません。
ニーファとは、辞書的にはヤギ肉のこと。肉その物と言うよりは、調理したヤギ肉という意味合いです。しかし、お店の人に聞くと、ヤギと羊、と言っていたし、アラビア語で書かれたエジプト料理の本でもニーファの材料は羊またはヤギとなっていたので、そこら辺は曖昧のようです。
ちなみにレバノンでも「ニーファー」という言葉が使われていますが、こちらは羊の頭のこと。普通に「羊の頭」と言う場合が多いですが、肉屋さんなど時々この名前を使っているのを見かけました。もっと細かく言うと、ヤギの「ニーファ」の最後の文字と、羊の頭の「ニーファー」の最後の文字が違うのですが(この辺は曖昧になっていることがあるので、絶対とは言い切れませんが…)。
カイロにあるニーファ専門店「Nefah Alnagahi」は、イスラム地区の裏通りにある小さな食堂。
20人も入ればいっぱいの簡素な食堂です。
入り口では大きな鍋が2つ。注文が入るごとに鍋から肉を取り出して切り分けてくれます。
メニューは基本的に「ニーファ」のみ。8分の1キロから好きな量を注文します。
ローストと言うか、煮込みと言うのか、何と言うのか。シンプルな調理法。意外と匂いはないのです。
まずはお決まり。サラダとタヒーナ(白ごまペースト)が運ばれてきます。
回転がよい店なのか、サラダはシャキシャキでフレッシュです。店によっては浅漬けのようなサラダのことがあるので、これはうれしい。
野菜サラダの汁。庶民的なケバブギーなんかでも時々出てきます。結構唐辛子が効いて辛い!しかしながら、未だにこの楽しみ方がイマイチわからないのです。
パンももちろんありますよ。
お待ちかね!ニーファの登場です。まずは2人で0.5キロ注文してみました。
いろんな部位がまんべんなく入っているよう。
お肉はとろとろ、溶け出したコラーゲンが肉にまとわりついて、この上なくしっとり。
見た目とは裏腹に、味付けはいたってシンプル。塩加減も薄めで、スパイス感もほとんどありません。皿に肉を盛った後に、ウエイターが塩をひとつまみ、パラリとかけているのですが、これがいい塩梅。途中単調になってきたところで、塩を直接的に、かりっと感じて、ハッと振り出しに戻るのです。
パンでお肉をつまんで、ちょいっとタヒーナをつけて…、あ~止まらない。
あまりにもおいしく、あっという間に食べ終わり、追加で4分の1キロ。
そうそう、スゴッ(ソーセージ)が最高においしいのです。普通のスゴッよりもギュッと濃厚、そしてしっとり。あ~、もっと食べたいな。
ヤギ肉と聞くと、臭そう、なんて思いますが、このニーファは全く臭みはありませんよ。
エジプト料理があんまり合わない、と言う人も食べやすいのではないかと思うほど。
今日は肉!の日は迷わずここに来よう。
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