午前中にボルジョミを出発した我々は、次の目的地「クタイシ」を目差します。
クタイシは人口20万人弱のグルジア第二の都市。イメレティ州の中心地でもあります。
イメレティ地方の料理といえば、チーズやマッシュルームを使ったものが有名なよう。また、グルジア料理でよく使われるketsiという素焼きのオーブントレイが特産のようです。
「シュロシャ」という村は、特にketsiの産地として有名で、街道沿いに素焼きの食器などがずらーっと並べられています。
今日の宿に到着しました。
オーナーは若い夫婦、おばあ様が残した住居を改装して、数ヶ月前にオープンしたばかりなのだそう。
このとき泊まっていたのはロシア人ばかりでした。翌日、朝食を食べていると英語が堪能なロシア人と一緒になり、少しお話を。聞けば車で旅行しているのだそう。我々がエジプトに住んでいると言うと、彼の妹(もしくは姉)がエジプト人と結婚してカイロに住んでいるとのこと。エジプト人の旦那さんが働かないそうで、妹さんが同じくカイロに住むロシア人女性相手に美容関連の施術をして暮らしているのだそう。
旦那さんの仕事が観光関連だと、このご時世確かに厳しいよなー、なんて思いながらゆで卵やらチーズやらをつまむのでした。
町の中心にはまだまだ現役の市場が残っています。
雑多な通りを抜けると…
食料品が集まる屋内市場に入ります。
人は多く、賑わっていますが、ギュムリと同じく、何だか静か。
お漬け物は色とりどり、と思ったけど、色とりどりなのは容器でした。
お肉屋さんには豚の顔が。
そして壁には聖人の絵が何枚も。
グルジアは信仰心の強い人が多い気がします。
教会の前を横切るときなど、胸の前で十字を切る姿、本当によく目にしました。
目に見える行為と信仰心は必ずしも比例しないし、そもそも信仰心など、計ることはできないのですが。
グルジアの名物「チュルチュヘラ」。
ぶどうなどの汁を煮詰めた物をクルミに付け、乾燥させたお菓子です。
粉類も量り売りで買えます。
タバコも量り売り。
市場から川を渡り、宿のオーナーオススメのヒンカリ屋さん「El Depo」へ。
グルジア料理といえば、何を置いてもヒンカリ。小麦粉の生地で挽肉を包んで茹でた、餃子のような、小籠包のような料理です。
ヒンカリを置いていないお店などない、と言えるぐらい、本当にどこにでもあり、さらにはスーパーにも冷凍のヒンカリがずらーっと。
グルジアに旅行したなら、1度のみならず、何度も食べることになるはずです。
じゃーん。こちらがそのヒンカリ。
つまみの部分を持ってかぶりつきます。フォークは使いませんよ。
中にはスープが入っているので、一口目をかじったらそれをこぼさないようにすすって、残りを食べます。
つまみの部分は煮えていないので残します。
ヒンカリは好みで黒こしょうをかけるくらいで、ソースなどはありません。
生地は薄めなのですが、むちっと食べ応えがある。シンプルな挽肉餡なのに、いつもの餃子とは全く違う味。これがグルジアの味。
ちなみに、前回旅行したときは、庶民的な食堂でも、ちょっとしたレストランでも、ヒンカリは10個からです、というお店が多かったように思います。今回はそんなことは全くなく、一つからでも注文できるお店ばかりでした(一つとかは注文していませんが)。
こちらは焼きヒンカリ。
メニューにはなく、写真を見せて注文しました。
ところが店員さんは困った顔。
英語が全く通じず(むしろこういうお店は好きです)、店員さんが困惑しながら発したのは「COOL…」。ん、冷たい?どういう意味だろう、なんて首をかしげていたら、オウケイ、と言い残して行ってしまいました。
後でわかったのですが、残って冷えてしまったヒンカリを食べるときは、どうやら焼いて食べるらしくいのです。
だから店員さんは、ちょっと冷まさないといけない、というような意味で「COOL…」と言ったのかな、と想像してみます。
焼きヒンカリは、結構脂っこく、かなりお腹にたまります。
私は普通の茹でたてのが好きかな。
このお店は、ヒンカリ以外のメニューもありますが、ほとんどのお客さんがヒンカリを注文しています。
どこで食べてもおいしいヒンカリですが、確かにここのが一番おいしかった。
何だろう、生地がこなれているのかな、薄いけど、もちっと。
おいしくて2回も行ってしまいました。
あんまり目立たないお店。
でもお客さんはひっきりなしにやって来ます。
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