アラブ料理に欠かせない野菜の一つにナスがあります。煮込みにしたり、シンプルに揚げたり、忘れてはいけないアラブ料理、マハシーにもと、大活躍です。
そんなナス料理でも、シンプルかつ、ナスの美味しさを存分に味わえるものに“ムナッザラ”があります。
主にシリアやレバノンでよく食べられているもので、揚げたナスにひき肉を挟んで、軽く煮こんだお料理。
トルコには、お腹を裂いた、という意味の料理“カルヌヤルク”がありますが、それとよく似ていますね。
普通はナスに切れ目を入れて、炒めたひき肉を挟むのですが、ナスを適当な大きさに切って、煮込んだ物もムナッザラと呼ぶこともあります。
もう一つ、よく似た料理に“ムサカ(ムサッア)”があります。こちらもナスを揚げてトマトで煮込んだ料理。
違いを挙げると、大き目のナス(ルーミー)を使うことが多いことや、ジャガイモやズッキーニなども一緒に煮込んだりすることがあるなど、でしょうか。
ムサカは主にエジプトで、ムナッザラは主にシリア、と言うが、私のイメージです。ムサカはシリアにもありますけどね。
また、ムサカはパンと一緒に食べますが、ムナッザラはご飯と一緒に食べます。
←ダマスカスの名店【シャーミーヤート】のムナッザラ
ムナッザラはトマトで煮込むことが多いですが、それなしでも十分美味しく仕上がります。というよりも、ナスってこんなにうまみが出るんだと、むしろ目からうろこですよ!実は、トマトなしで作るムナッザラはダマスカス風なんだとか。
主な材料は、ナス、ひき肉、玉ねぎだけ。簡単だけど、手の込んだ風の一品になりますよ!
材料
ナス(小さ目)…15本
ひき肉…250g
玉ねぎ…1個
揚げ油
塩、コショウ、ミックススパイス
作り方
①ナスは皮をむいて、濃い茶色になるまで揚げる。
②玉ねぎはみじん切りにし、油で炒める。ひき肉を加え、塩、コショウ、ミックススパイスで味を調える。
③ナスに切り込みを入れ、ひき肉を詰める。
④トレイ又はフライパンにナスを並べ、水を張り火にかける。
⑤塩、コショウ、ミックススパイスで味を調え、煮汁に色がつくまで20分程煮る。
トマトペーストを煮込みの水の加えたり、トマトのざく切りや輪切りを一緒に煮込んでも。
ひき肉は羊がいいですが、もちろん牛でもOK。脂が多めの方が美味しくできますよ。
バターライスとキュウリやトマト、ラディッシュのサラダを添えて、夏のランチにピッタリです。