朝食や、ちょっと小腹が空いたときなど、シリアに住んでいたときには「ファターイル」屋さんによく立ち寄ったものです。ちょっと小ぶりでつまみやすいファターイルは、確か当時ひとつ10ポンド(20円)程で、シャワルマを食べるほどではない、なんてとき、ありがたい存在でした。
「ファターイル」はパイと訳されることが多いようですが、どちらかと言えばおかずパンのようなもの。歯触りが軽めのパン生地に、チーズや挽肉などが入っています。
数あるファターイルの中でも、私が最も好きで、シリアを感じるのは、なんと言ってもほうれん草のファターイル。ちょっと酸味のある味付けで、いくらでも食べられてしまうのです。お約束の三角型もなんだかかわいいです。
ちなみにエジプトは「フティール」といって、同じくパイと訳されるものがあります(アラビア語が解る方向けですが、同じ語根ですね!)。こちらは薄くのばした生地と油脂を折りたたみ焼いたもので、ちょっと重く、シリアのファターイルとは趣が異なります。
材料
~生地~
中力粉…200g
ドライイースト…1.5g(小さじ0.5)
油…40g
砂糖…小さじ1
塩…4g
ぬるま湯…100g
※追記
生地の配合を見直しました。
以下は見直し前の配合です。
中力粉 200g
ドライイースト 3g(小さじ3分の1強)
油 35g
砂糖 小さじ1
塩 小さじ4分の1
ぬるま湯 80g
~ほうれん草の詰め物~
ほうれん草…400g
玉ねぎ…100g(2分の1個)
ドライコリアンダーシード…大さじ0.5
オリーブオイル…大さじ1
レモン汁…大さじ1 (クエン酸小さじ0.25程度でも可)
塩
卵
※追記
生のほうれん草を使う場合のレシピを見直しました。
ほうれん草…200g
玉ねぎ…65g
ドライコリアンダーシード…小さじ0.5強
オリーブオイル…10㏄
レモン汁…大さじ1
塩
作り方
①生地の材料をよく混ぜ、滑らかになるまでよく捏ねる。蓋をして温かい場所に1時間ほど置く。
②ほうれん草をよく洗い、細かいざく切りにする。塩をまぶし数分おき、出てきた水分をよく絞る。
③玉ねぎをみじん切りにし、ほうれん草に加える。塩をまぶし数分おき、更に水分をよく絞る。
④詰め物の調味料を加え、よく混ぜる。
⑤生地を適量取り、麺棒で1㎜ぐらいに延ばす。丸形で抜き、ほうれん草をのせ、ブーケの様に指でつまみ、残りの辺を閉じる。
⑥溶き卵を表面に塗り、180度に予熱したオーブンで20分程、色づくまで焼く。
今回は直径6.5㎝のコップを使って型抜きをしました。これは2口ぐらいで食べられるミニサイズになります。大きさはお好みで。
三角形にする以外に、渦巻きにしてもおもしろいです。
長方形に延ばした生地にほうれん草をのせ、細巻きのように巻き、更にぐるっと渦巻き状に巻きます。
今回は冷凍のほうれん草を使いました。
生のほうれん草を使う場合は、上記の手順②の塩もみの他、洗って水気が残っているほうれん草を鍋に入れ、蓋をしてしんなりするまで火にかける方法もあります。
甘酸っぱいほうれん草がぎっしり!