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【13世紀のアラブ菓子 その2】バラド

  • arabfood
  • 2017年9月20日
  • 読了時間: 3分

更新日:2023年2月11日


13世紀のアラブ料理のレシピ集をめくっていると、日本人ならちょっと気になるお菓子がありました。バラド、アラビア語で「あられ」というお菓子。あられって、あのあられ?

レシピは次のようにあります。

上質のセモリナ粉を柔らかくこね、発酵するまで置いておく。

鍋を火にかけ、ごま油を入れる。沸いたら、編んだレードルで生地をすくい、油の上で振り動かす。生地の1滴が油に落ちると固まる。それと同時に、徐々に他のレードルですくう。ごま油が乾燥する。

必要な量の砂糖をバラ水に溶かし、沸くまで火にかける。適度な濃度になる。火から下ろし、白くなるまで撹拌する。バラドをそれに入れ、油を引いたタイルの上に流し、型の形に集める。一口大に切る。

砂糖と訳した部分は、アラビア語の原文では、(蜂)蜜となっているのですが、他のページやその他文献などを参考にして砂糖としました。

編んだレードルは穴あきお玉のようなものでしょうか。それからポタポタと落ちるぐらいの濃度の生地を揚げて、揚げ玉のようなものをつくり、砂糖のパートに加えるようです。

砂糖の方は、白くなるまで撹拌する、とあるので、フォンダンのようなもの?フォンダンとは砂糖が再結晶化したもので、エクレアの上にかかっているあれです。

要するに揚げ玉入りフォンダンということでしょうか。

イメージは、砂糖で挽き割りの小さいひよこ豆(チャナダル)を固めたお菓子「ホンモセーヤ」。エジプトで預言者聖誕祭(マウリド)によく食べられるお菓子です。

さっそく作ってみましょう!

まずは揚げ玉作りです。

セモリナ粉を水に溶きますが、改めてやってみると、普通の小麦粉よりも水が多く必要です。小麦粉よりも粒子が粗いので、何だか溶けきらない、というか、ちょっと置いておいたら、水溶き片栗粉のように分離してくるのです。

こ、これは、めっちゃ油がはねる系の予感。普通に小麦粉で代用しようかと思いましたが、ここは腹をくくって挑戦です。

レシピには編んだレードルでポタポタ生地を落としていくようですが、シリコンの刷毛に生地をつけて、油の上で振って落としました。

ちょっとつまんでみると…、おお、ガリガリ、食感がよいです。小麦粉の揚げ玉がサクサク軽いのに対し、セモリナ粉の揚げ玉はスナック菓子に近く、食べ応えがあります。怯まないでよかったー!

次は砂糖です。

分量は特に書いていないので、とりあえず小鍋でも作りやすい砂糖150gを使用しました。ここに砂糖がちょうど浸るぐらいのバラ水と水を加えて火にかけます。

シロップや、飴や、カラメルなど、砂糖を煮溶かす時には絶対に混ぜてはいけません。

フツフツと沸いて、むせるぐらいのバラ水の香りが広がります。

レシピには濃度が付くまで、としか書かれていませんが、フォンダンを作る前提で115度ぐらいまで加熱します。確かにこのくらいの温度だと「いい感じのとろみ」が付くのですよ。残念ながら温度計がないので、勘で作業を進めます。

目安はスプーンで少量とって、手で触れるぐらいまで冷まし、その状態で糸を引くぐらいです。

「いい感じのとろみ」がついたら、火から下ろします。濡れ布巾の上に置いて少し冷まします。

木べらで勢いよく混ぜていくと、ふっと感触が重くなり、白くなります。急にきます。

そのまま丁度よい固さになるまで混ぜます。

揚げ玉を加えます。

オーブンペーパーの上に出し、形を整えます。

白身魚のすり身みたい。

あとは適当な大きさに切ってできあがりです。

砂糖がホロホロっと、口に入れるとスッと溶け、そこにバラの香り、なかなか上品なお菓子…、と思ったら、揚げ玉が結構なスナック感を醸し出してきて、一気に雰囲気が変わります。

完全に砂糖なので甘いですが、濃いお茶と一緒にちびりちびりかじるのにはいいかもしれません。

それにしても、あられとは、なんという偶然。13世紀のバクダッドにもあられが降っていたのでしょうか。



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