カイロで好きなレストランの一つにウイグル料理店があります。
ラグマンという、うどんのような麺が食べられるのですが、そのコシの強さは讃岐うどん並、いやそれ以上。カイロには多くの中華料理店やアジア料理店がありますが、こんな麺を出すのはウイグル料理店だけではないかと思います。
カイロにはアズハル大学で学ぶイスラム教徒の外国人留学生が多く、ウイグル人もかなりの多くの人が滞在しています。
そのアズハル大学があるカイロ東部のナセルシティーには、彼ら御用達の庶民的なアジア料理店やウイグル料理店などがいくつか点在しています。
この辺に来る用事があれば必ず、いや、用事がなくてもわざわざ食べに行くほどのお気に入りでした。
ところが、昨年の夏(2017年7月)に、当局による大規模なウイグル人の拘束、強制送還が行われたのです。
その詳細についてはここでは省きますが、個人宅に警察が押し入りウイグル人を連行した他、ウイグルレストランで食事中のお客などを連行したとの報道もありました。そのレストランって…あのよく行くお店?!もしそのときに私もそこにいたら、連れて行かれてたのかも、なんて、思ったものです。
その後、そのお店は閉店したと風の噂で聞き、しばらく足が遠のいていたのですが…。
なんと復活したとの情報が。
「ハラール・シティー」、な、なんかざっくりした店名になったなぁ。
昼と夜の差もありますが、毒々しいネオンと、アジアンフードという文句が、モールのフードコートにあるようななんちゃってチャイニーズを連想させます。
大丈夫かな…。
ちなみにウイグルレストラン時代の様子はこんな感じ。
そんな心配も何のその。店内はいたって普通、中央アジア出身らしき男性が数名食事しています。
奥にはカーテンで仕切られた女性席もあります。
エジプトでは一般的には女性席を別に設けることはないのですが、イエメン料理店など“外国”料理のお店で時々見かけます。
ウイグルレストラン時代の面影があり、何となく安心。
もちろん頼むのは「ラグマン」。箸がぶっささって出てきますが、気にしないでおきましょう。
牛肉とトマト風味のスープに野菜がたくさん。麺にはしっかりコシがあります。
あー、これこれ、他ではない味。
牛肉とジャガイモの「クールダク」。キルギスの料理として有名のようですが、中央アジアで広く食べられているよう。
どことなく日本の肉じゃがに似ています。ほっくりのジャガイモと、甘い玉ねぎがほっとします。
サモサは大きめサイズ。中にはぎっしり羊のひき肉が詰まっています。
意外かもしれませんが、カイロで食べる羊肉は独特の臭みを感じないのですが、ウイグル料理店で食べる羊はしっかり羊臭。なんか遊牧っぽいなぁ、なんて適当なことを考えます。
中央アジアでよく食べられているパンも買えます。
見た目よりもかなりどっしりしていて、ちょっと固めです。スープにしっかり浸して食べるといいですね。
お店が新しくなり、ウイグル料理店時代のメニューよりは、広く中央アジアの料理を取り扱っていると思います。
と言っても、私は中央アジアの料理に詳しくなく、それに加えて、彼らの料理はそれぞれ国は違えど結構似ているのではないかと思います。
でもでも、あのコシの強い麺が食べられるだけで大満足です!
ちなみに2軒隣はタイ料理店ですよ。いつもどっちで食べようか迷います。。
お店「Halal City」 Al Imam Abou Hanefa, Al Hay as Sabea, Nasr City, Cairo
ナセルシティーの第7地区です。