温泉と言えば日本独特のもの、と思われがちですが、ヨーロッパにも温泉がたくさんあります。
その中でもハンガリーは有名で、首都ブダペストにも多くの温泉施設があります。美しい装飾の歴史ある建物で入る温泉は、日本の温泉と趣こそ異なりますが、お湯にゆっくり浸かってぼーっとしていると、不思議と冷たいく甘いコーヒー牛乳が飲みたくなるものです。
日本の温泉とはかなりイメージが違うのがヨーロッパの温泉。
まずは水着着用で、水温は低くプールのようなので、ババンババンバンバン、と思っているとちょっと肩すかしを食らうかもしれません。
しかしながら、ハンガリー以外にも、これまでギリシャ、ブルガリア、ルーマニアの温泉に浸かってきましたが、すっかり疲れやむくみが取れ、その効果は期待以上。
それもそのはず、ヨーロッパの温泉は治療目的の施設も多く、ドクターが駐在している場合も多いのです。
クラフクから、車で2時間弱の「ザコパネ」は、スロバキアと国境を接する避暑地。冬にはスキーも楽しめ、ポーランドの一大観光地です。
この時期だと登山やハイキングを楽しむ人で賑わいますが、なんと、この辺りは温泉も出るとのこと。
ポーランド旅行も後半に入り、ちょっと疲れもでききた頃。
早朝にクラクフを出発して、やってきたのがこちら「Termy Bukovina」。
厳密にはザコパネではなく、隣の「ブコビナ」という町ですが、ザコパネ同様山岳リゾート地として有名です。
お湯もさることながら、景色が最高!
プール(お風呂?)は全部で室内外合せて6個、温度は30度から38度で、日本人にとってはちょっとぬるいかな、と思いますが、長時間つかることができます。
各プールには泡マッサージや水圧マッサージなどが備え付けられているので、深緑を眺めながら体をあずけてリラックス。
室内では日焼けを気にせずに楽しめます。
地下2.4㎞から汲み上げた地下水は豊富なミネラルが含まれているようで、普通のプールより体が軽く感じました。
あちこちのプールを堪能していると、何だかお腹がすいてきました。
でも心配はご無用。館内にはレストランもあります。
ビュッフェ式で、確か100gで4.7ズロチ(約140円)。料理の重さで値段が決まるので、ちょっとつまみたいときでも便利です。
支払いは退館するときにまとめて清算するので、お財布は必要ありません。
もちろんビールもありますよ!
ポーランドでは、特に庶民的なお店でビールを頼むと「シロップは?」と聞かれるのですが、こちらも例に漏れずラズベリーシロップの瓶がビールサーバーの横に当たり前に置いてありました。
チキンカツとロールキャベツにスープ。
チキンカツは中にチーズがとろ~、ロールキャベツの中身はキノコと野菜のみのシンプルなタイプ。ひき肉やお米が入ったタイプが一般的だけど、ほうほう、これは軽くてなかなかおいしい。キノコからいい出汁が出ているのね。
チキングリルは安定の美味しさ。パリッとした皮としっとりしたお肉。透明の肉汁があふれてくるのがたまりません。
こういう食堂って、超絶おいしいわけではないのですが、その国の“いつもの食事”が楽しめる気がして、何だか好きなのです。
浸かって食べて飲んで、大満喫でした!
午後の遅い時間にクラクフに戻ってきました。
観光名所の旧市街を歩いたりしましたが、あまりの観光地っぷりにぎょっとし(自分も観光客ですが)、足早に抜け出します。素晴らしい見所も多く、それが故観光地になっているのですが、どうもあの雰囲気が大好という訳ではなく、自分の心地よい場所を求めてしまうのです。
そうそう、あそこのブリュワリーはどうだろう。前日に車でお店の前を通ったときに「BROWAR」という文字が目に飛びこんで、ちょっと気になっていたのです。
「T.E.A. Time」…?ビールなのにティー?ちゃらっとしたお店なのかな、と思いながら入ってみると…。
イングリッシュエールの醸造所!なんという誤算!
サーバーはもちろんハンドポンプ。井戸のように汲み上げるサーバーで、ギーコーギーコ重い音が響きます。
勢いのある普通のサーバーでは絶対にできない注ぎ。
炭酸がビール全体に行き渡って、見事なグラデーション。すぐにでも口をつけたい衝動を抑え、泡が落ち着くまで待ちます。
ゴク、ゴク、スムーズに喉を流れる、一切の引っかかりがない滑らかなベルベットのような口当たり。あ~おいしい。
イングリッシュエールと言えば、泡や炭酸が少なく、冷やしすぎないビール、そのため日本の「ゴクゴク、プハーッ!」のビールとは全く違うのですが、アルコール度数が低く飲みやすい。
ビールの種類は何種類かあり、注ぎ方や温度もそれぞれ異なるのですが、どれもこれもぐうの音も出ないほどの美しさ。
食べ放題のピーナッツが、これまた合うんです。
ビールを堪能したら、小腹が空いてきました。
こういうときはラーメンがいいですよね。
トッピングは日本ではあまり見かけない組み合わせですが、麺もスープもなかなかのもの。
温泉に入って、ビール飲んで、締めはラーメン。
日本に住んでいたら、ポーランドでラーメンは食べなかったと思いますが、エジプトから来てるからね。
ちょっと割高なオシャレラーメン、なかなかヨーロッパらしいです。