カイロの街を歩いていると、鮮やかな布で仕立てたワンピースに身を包んだ黒人女性など、明らかにエジプト人とは雰囲気の違う人たちを見かけます。
エジプトには、多くのスーダン人が住んでおり、特に近年の混乱の影響で難民も急増しているよう。うちの周りの住宅街でもスーダン人とおぼしき人たちが増えたなぁ、という印象です。
古くからのコミュニティーも存在しているようで、スーダン人がよく訪れる教会なども点在しています。
となれば、気になるのはスーダン料理のお店。
これだけスーダン人がいれば、彼ら御用達のお店があるはず。
おいしいスーダン料理を求めてとあるお店に潜入してきました!
カイロはダウンタウンの地下鉄アタバ駅周辺には、少なくとも2軒のスーダン料理店があります。
そのうちのひとつが「ハルツームレストラン」。
アタバ駅からムハンマド・ナギーブ駅方面へ歩いてすぐの場所です。
表通りから奥まった場所にあるので、ちょっとわかりづらい。
しかし、これが、秘密の場所感が倍増しアドレナリンが出まくる感じで非常によい。
ちょっと入りづらいですが、お店の中は明るくて大丈夫ですよ~。
なんてことはありません!
お店の中も薄暗く、なぜか赤や緑の照明。
わ、私、場違いじゃないよね、と小心者の私は急に心配になります。
でも心配はご無用。照明の色はアレですが、雰囲気は悪くない、むしろいいのでは。
おばちゃんグループや一人客もいて、私は一人でも大丈夫です。
メニューの数は多くはないですが、エジプト料理では見かけないネーミングの料理がいくつかあります。
まずはメニューのいちばん上にあった「サマク(魚)」と、「フィラーハ・ハッラ(鍋チキン)」をオーダー。
魚はテラピアのフライです。
テラピアはおそらくエジプトで最もポピュラーで一番安い魚。スークでは大きさ別に値段が別れていて、大きい物ほど高くなるのです。
思った以上に大きいサイズのテラピア!身はふっくら、そしてフライなのにあっさり。おいしい。。
私も時々テラピアを買うのですが、これより一段小さいサイズを選びがち。
確かに高いだけあるのね。もちろん調理方法にもよるだろうけど、今度からは大きいテラピアを買おう。
そしてチキンはシンプルなトマト煮込み。
エジプトでも似た料理はあるのですが(チキンのトマト煮込みは世界中にありそうですが)、このチキンはなんか優しい。
エジプトの料理が、「どや!チキンとトマトやで!」という感じだとすると、この料理は、「あ、そうなんです、そう…一応チキンなんです、ト、トマトも…」という雰囲気。
チキンはほろっと柔らかく、それを邪魔しないトマトソース。うまいです。
多くのスーダン人が注文しているのがこちら「ゴラーサ・タガレイヤ」。
ゴラーサ(オラーサ、コラーサ)は円盤といった意味で、スーダン料理では厚めのクレープのようなものを指すようです。
モチッとした食感で、ちぎってソースに絡めて食べます。
タガレイヤ(タアレイヤ、タカレイヤ)はトマトをベースにしたソースですが、ぬるっとした不思議なとろみがついています。なんでもこれはオクラのとろみだとか。
写真では緑色に見えますが、実際は赤に近い色です。
ちなみにエジプトでタアレイヤというと、コシャリの上にのせるフライドオニオンや、モロヘイヤにジュジュッと加えるニンニクオイルなどを指します。
セブンアップやペプシは瓶で。
瓶もまだまだ現役で売ってはいるものの、やはり缶の方が目にする機会は多いです。
コーヒーやお茶は入り口脇で淹れてもらえます。
食後は店の前の席に座ってコーヒーを飲みながら一息つくのもいいですね。
お店は奥まった場所にあるので、騒がしくなく、中庭のような雰囲気です。
この路地を入り、左に進みます。
隠れ家風というか、完全に隠れているスーダン食堂。本当は誰にも教えたくない、カイロのお気に入りです。