しっかりめのプリンと、ココア風味のケーキ。2つの味が一度に楽しめる魅惑のデザート。
手間がかかりそうですが、なんと!ココアスポンジとプリン生地を同じ型に入れてオーブンで一度に焼き上げる、手間いらずのレシピなのです。
2つの生地が混ざりそうですが、心配無用。不思議と2層くっきりと分かれて仕上がります。
日本語だとプリンケーキ、英語だとcream caramel cakeなどと呼ばれ、アラブの独特のデザートではありません。しかし、アラビア語での名前がお菓子の名前以上の壮大さなのです。
アラビア語でこのデザートは「オドラット・アーデル(コドラット・カーデル)」と呼ばれています。な、なんかすごいな。
直訳すると「偉大な能力」。それもそんじょそこらの能力ではなく、神様の力、神がかった力、のような雰囲気。
「あのデザートの名前、すごいよね」とアラブ人に言うと、「そうそう、ラッベナー(アッラー)」と人差し指を軽く上に向ける仕草。
別のアラブ人に「どうしてこの名前なの?」と聞くと、「なんだろう、生地が混ざらずにきれいに焼けるのはアッラーの成せる技、みたいな。知らんけど」とのこと。
ちょっとおしゃれなデザートなのに、名前はなかなか重ため。そのギャップが面白いです(あくまでも私のイメージですが)。
プリンケーキも「オドラット・アーデル」も、基本的には作り方は同じですが、強いて違いを挙げるとすれば、「オドラット・アーデル」はスポンジにココアを加え、型は中心に穴の開いた丸形を使用することが多いです。
この辺は自由にアレンジができるので、好きなフレーバーでプリンとスポンジを組み合わせると楽しそうです。
材料 25㎝×8㎝
・カラメル
砂糖…60g
水…大さじ1
熱湯…大さじ1
・プリン生地
卵…3つ(150g)
牛乳…300cc
砂糖…55g
・スポンジ生地
卵…2つ
砂糖…50g
薄力粉…60g
植物油…20cc
ココア…大さじ1
ベーキングパウダー…小さじ0.5
作り方
①カラメルを作る。小鍋に砂糖、水を入れ火にかける。砂糖が溶け濃く色づいてきたら火からおろしすぐに熱湯を加える。型に入れて冷ましておく。
②プリン生地を作る。小鍋に牛乳、砂糖を入れ、火にかける。かき混ぜながら砂糖が溶けるまで温める。卵は静かに溶きほぐす。牛乳と卵を混ぜ、ざるなどで漉す。
カラメルの上に静かに注ぐ。
③スポンジ生地を作る。薄力粉、ココア、ベーキングパウダーを合せてふるう。ボールに卵と砂糖を入れ、ハンドミキサーなどで泡立てる。リボン状になったら、粉を加え、練らないように混ぜる。植物油を加え、つやが出るように大きく混ぜ合わせる。
プリン生地の上に静かに注ぐ。
④オーブントレイにキッチンペーパーを敷き、型を置く。80度ぐらいのお湯を張り、150度に予熱したオーブンで40分から1時間ほど焼く。
⑤あら熱を取り、冷蔵庫でしっかり冷やす。スポンジのまわりにナイフを入れ、生地と型を切り離す。皿をかぶせてひっくり返す。
個人的にはひっくり返して半日から1日ぐらい経ったのが好みです。
スポンジにカラメルとプリンの水分が染みこんで、しっとり、プリンはギュッと締まって、全体がまとまります。