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【アルメニア】ついに発見!アルメニアにはないアルメニアのパン「タヒノブ・ハツ」

更新日:2022年3月8日


麦のおかゆや、クルミのジャムなど、アルメニアのおいしい料理を堪能していますが、忘れてはいけないアルメニア料理の一つが「ラフマジョ」。

薄い生地にジューシーな挽肉がのったもので、アラビア語だと「ラハム・ビ・アジーン」とか、「スフィーハ」、トルコだと「ラフマジュン」などと呼ばれる、この辺りの国で広く食べられているピザのようなスナックです。

Irina Petrosian著「Armenian Food」によると、シリアのアレッポでは特にこのラフマジョが有名。この地で伝統的にパン製造業を担っていたのがアルメニア人であり、1960年代に多くのアルメニア人がアレッポより帰還(当時はアルメニア・ソビエト社会主義共和国)、その際にアルメニアにラフマジョが持ち込まれたようです。

起源としてのラフマジョは、18世紀にヨーロッパを訪れたバグダッドのユダヤ人の料理人が考案し、イラクの上流階級の人に紹介されたのが最初だとされています。

(この辺りの歴史はどの国の人が書くかによってずいぶん違うので、ご参考程度に。そこらへんの歴史観がまた興味深いのですが)

どこにでも売っていて、どこでもおいしいラフマジョ。それでも首都エレバンなら、キラリと光るラフマジョの名店があるはず。そう思いながら探していると、お、ここなんか評判良さそう。

Lahmajun Gaidz」はエレバンの中心共和国広場にほど近い場所にあります。

お店は地下にあるので、ちょっとわかりづらいかも。

こざっぱりした雰囲気で、気軽に入れます。

入り口のカウンターで注文します。

うーん、どれもおいしそうだけど、基本のラフマジョと、エレバンラフマジョをオーダー。

あとは「タン」ヨーグルトドリンクね。

こういうお肉系の料理にはすこぶる合うのです。

来ました!右が基本のラフマジョ。左がエレバンラフマジョです。

口当たりのよい極薄のパリッとした生地ですが、どことなくしっとり。レモンを搾って、クルクル丸めて食べてもおいしい。

何枚でも食べられそう。

テーブルのメニューを何気なく見ていると、ぎゃっ!思わず声をあげてしまいました。

その理由は「タヒーナブレッド」。

ベイルートのアルメニア人地区で出会ってから、是非とも本国でも食べたいと意気込んでいたのです。

アルメニア初日。ホステルの人に、

「タヒーナブレッド(アルメニア語ではタヒノブ・ハツ)って、どこでも売っているんですか」

「なに、それ」

「白ごまペーストのタヒーナ?タヒーニ?のパンなんですけど…(写真を見せる)」

「いや、ちょっと見たことないな…」

「えーっと、タヒーニの…」

「それよりタヒーニって何?ごまのペースト?アルメニアでは普通は使わないと思う」

ガーン。ベイルートのアルメニア人地区で食べたと伝えると、おそらく西アルメニアコミュニティーの間で食べられているのではないか、とのこと。

アルメニア人は長い歴史を経て世界中に散らばっており、アルメニアにいるアルメニア人よりも、国外にいるアルメニア人の方が多いとされています。

そのため、例えば言語は東アルメニア語(アルメニア)と西アルメニア語(アルメニア以外)で違いがあるのです。私が持っているアルメニア語のテキストも東アルメニア語となっています。

まさか、料理もこんなに違いがあるとは。

その後気になって大きなスーパーでタヒーナを確認しましたが、隅っこの方にレバノンからの輸入品が数本あるだけでした。

で、やっと出会えたタヒーナブレッド。

のばした生地にタヒーナと砂糖をまぶし、海苔巻きのように巻いて、更に渦巻きに丸めて軽く麺棒でのばして焼きます。

甘いゴマ味って、ほっとする。

何度か作った事があるけど、やっぱり生地がおいしいと違うな。

帰り際、お店の人にこのタヒーナブレッドに行き着くまでの経緯を話すと、

「そうですね、アルメニアでは普通はタヒーナブレッドは置いていませんね。西アルメニアコミュニティーの料理なので」とのこと。

やっぱりそうか。でも食べられてよかった。

その後気になってこのお店のことを調べると、オーナーはアレッポ出身のアルメニア人。戦争の影響で、アルメニアに避難してきたのだそう。

メニューなんかから、何となくそう(シリア人)かな、と思っていましたが、もっとお話を聞けばよかったな。

このお店は共和国広場の目と鼻の先。

モザイクのように石を積み重ねた建物はアルメニアではごく普通の様式。

これが、たまらなくかっこいい。

普通のアパートなんかもそれぞれ趣があるのですが、やはり町の中心共和国広場の建物は一つ一つの石が大きい。

それがぐるりと広場を囲む景色は、それはもう圧巻なのです。

エレバンは地下鉄が走っています。

旧ソ連を思わせる深くずっしりした構内。

無骨なのがたまらん。

大きな駅だと軽食やら、何やらが売っていて面白い。

ギュムリで食べたピロシキおいしかったな。

共和国広場近くでは蚤の市があります。

入り口付近はお土産ぽい物が多いけど、奥に進むにつれて、古い食器などがわんさか登場します。

値段は安め。

ちょっと古めかしい、今はないデザインの食器がざくざく。

4年前にここの蚤の市で買った楕円のトレイがかなり便利で、今回買い足しちゃいました。

他では見たことないのだけど、ここら辺特有の形なのかな。

ふー、アルメニア最高。


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