シリアの食材店やお菓子屋などなど、ここはまるでシリア?と思わせるような雰囲気の10月6日市(10月6日市は広いので、全てではないですが)。カイロ中心部からだとちょっと遠いですが、他では手に入りづらい物も買えるので、定期的に訪れるのです。
レストランだと、ロストーのようなファストフードやシリア式シャワルマなどが目立つのですが、臓物専門店だってこの地ではシリア式。
「ハール・レストラン」はそんな臓物専門店の中でも人気店。
レストランというよりは食堂という雰囲気。気軽に入れます。
メニューは、頭、腸詰め、トライプ、すね、脳みそ、ファッタ。全て羊ですが、詰め物の挽肉は牛肉を使用しているとのこと。
清潔なショーケースに並んでいます。
なかなか野性的。
まずはスープ。シンプルなゆで汁で、味は各自で調整します。
テーブルの塩、こしょう、クミン、そしてレモンをたっぷり搾って。
思ったよりもたっぷりのレモン汁とクミンがポイント。
羊の匂いが少しありますが、レモンの酸味で驚くほど和らぎます。
羊の頭「ラース」。食べやすいようにほぐしてあります。
こちらも味付けは各自で。塩、こしょう、クミンを振りかけて、パンでつまんで食べましょう。
タンや頬、皮など一つの皿に色々な食感のお肉が盛りだくさん!
ソジョアート(腸)とキルシャ(トライプ)の盛り合わせ。
中にはごはんと挽肉が入っています。
こちらもシンプルに茹でた料理。スープに浸したり、塩、クミンなどを振りかけていただきます。
見た目はグロテスクですが、意外にも優しい味。
ちなみにソジョカート(ソジョカート)、エジプトでは似た料理にモンバールがあります。ただしエジプトのモンバールは一般的に牛の腸を使い、詰め物はトマト味にします。
エジプトのソジョク、エジプト方言では「スゴッ」という発音ですが、こちらは、ソーセージを指します。一方シリアのソーセージは「ナカーニク」または「マカーニク」と呼びます(ソジョクという呼び方もします)。
マカーディム(すね)。骨から外してあります。
ぷるぷるのゼラチンです。
エジプトだと「カワーレア」と呼びます。
料理が出そろいました。
どれも各自で塩、こしょう、クミンで味付けしながら食べます。
パンでつまんでよし、スープに浸してもよし。
シンプルながら、羊独特の匂いも時折感じる、通好みの食卓です。
この日はモッホ(脳みそ)は品切れでした。
ファッタに好きな具をトッピングすることもできますよ!
食後はお茶で一息。
スパイスガンガンでもなく、油っぽい食事でもなく、それでもなぜか食べた後は異常な満足感と高揚感を感じる臓物料理。ふー。
店員さんはダマスカス出身の方でした。控えめな話し方がエジプト人とは少し違います(もちろん人それぞれですが)。
エジプトのマスマトで食べるのとはひと味違うシリアの臓物なのでした。