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【カイロ】ラグジュアリーな客室で激しく肉料理

更新日:2023年2月8日


カイロにはケバブギーという業態の店があります。

もうこのブログでも数件のケバブギーを紹介しているのだけれど、改めて説明すると、炭焼きのお肉「ケバブ」を出す専門店です。

ちなみにアラビア語圏のケバブ(ケバーブ)は、トルコなどでおなじみの「ドネルケバブ」とは別物です。そちらは「シャワルマ」と呼びます。

カイロはそのケバブギーが無数にあり、とりあえず外食、となるとケバブギーに行く場合も多いのですが、当たり外れが多いのも実はこのゲバブギーだったりするのです。

エジプトでは肉は意外にもそこそこ高く、失敗は避けたいもの。

そんなときにオススメなのが「Sobhy Kaber」。

カイロで知らぬ者はいない、と言いたくなる超有名店です。

このお店はケバブだけではなく、煮込みなども出すお店ですが、名物はやっぱり炭焼きのお肉。

個人的にはプリンスと並ぶ2大カイロ名物店だと思っています。

そう言えば、いつかのラマダーンでは、運動公園を貸し切っての営業をしていました。

以前はすこぶる庶民的なエリアのアパート密集地域で営業していましたが、数年前に移転。立派なビルになりました。

お店があるのはナイル川沿いのコルニーシュを一本入った場所で、特に賑わっているエリアではありません。が、このお店のお客でめちゃくちゃ人が多いです。

それに乗じて、近くのマクハー(喫茶店)だと思われる人が客引きに来ていたり、物売りがいたり。レストラン一軒ですごい影響なんだな、としみじみ。

余談ですが、最近カイロではウーバーがなかなか捕まらないのですが、ここは一瞬で捕まります(私が行ったのは数回なので保証は出来ませんが…)。お店に到着したお客を降ろした運転手が結構いて、すんなり乗れるのです。

タクシーで行くのが手っ取り早いお店なのですが(もちろんバスなどの公共交通機関も近くを走っています)、意外にもアクセスしやすいのかな、と思ったり。

移転後のお店は以前の路地とはがらっと変って、ラグジュアリーな内装。店員さんもネクタイを締めて、ぴりりとしています。と言いたいところですが、やっぱりソボヒー。雰囲気は以前のお店のまま、騒がしく賑やか。

ちなみにこの日は夜10時過ぎの訪問。それにもかかわらず激混みで15分ぐらい待ちました。いや、もう知っているけど、夜遅いです。エジプト人。

ラグジュアリーにつきもののシャンデリア。

こんな素敵なお店ですが、実際は音楽ガンガン、人も多く、普通の声の大きさだと、隣の人の声すら聞こえません。結果、全員が大声で話している状況なのです。

ようやく席が空いたようです。

君たちは2人だけど、特別にこの4人席にどうぞ、と得意気の店員さん。

ああ、愛すべきエジプト人。

メニューは炭焼きグリル、ターゲン(オーブン煮込み)、ごはんものなど、いろいろあります。

サラダやタヒーナ、ピクルスは無料です。

まずはウイスキー。野菜サラダの汁です。結構唐辛子が効いているので、一気飲みは避けた方がっ。

白茄子のピクルスをつまんでいると…。

肉料理が怒濤のごとく運ばれてきました。

まずはコフタ。他のお店より心なしか大きくブリッとしています。

しっかり目の塩気、滑らかな挽肉だけどしっかり感じる肉の食感。これぞオーソドックスなカイロのコフタなのです。

ちょっと贅沢なリーシュ。ラムチョップです。

柔らかだけどしっかり食べ応えがあります。焦げた部分がまた美味しいんだよね。

普通のケバブでも十分美味しいのだけど、やっぱりお肉は骨付きが旨い。

ニーファはしっとりジューシー。ジューシーと言っても、日本のそれとは違って脂じゅわーではないのだけど、むしろ脂身がないお肉なので、意外と食べやすいのです。

あー、料理がそろった-。

と思っていたら、そうだ、まだ頼んでいたんだった。

エジプト料理の定番モロヘイヤ。

濃厚な出汁と、ニンニク油で、見た目よりもボリューム満点。

スープに見えますが、エジプト料理ではこれはスープではありません。あくまでもメイン扱いです。

というわけで、「モロヘイヤスープ」という表現は正しくはありません。

このお店のメニューではターゲンの欄にありました。オーブン煮込みでもないですが、ターゲンの器に入っているので、まぁ、ターゲン。

こちらも定番ハトのマハシー。ハトのお腹に米を詰めています。

身は少ないのだけど、味が濃厚でめちゃくちゃ美味しい。

個人的には旨味がどこにも逃げ出していないグリルが好きなのだけど、マハシーもまた別のおいしさ。

細かい事なのだけど、ハトのマハシーの中心部分の、ちょと水分が十分に行き届かなかったような、パサッとした米が結構好きなのです。

全体がパサッとしていたら食べられた物ではないと思いますが、中心部分にほんのちょっとあるのがいいんです。

もちろんこれは、上手に出来た例では決してなく、完全な個人的嗜好の領域ですが。

店内の音楽の音量が一層大きくなって、音が割れそう!と思っていたら。

なんと!花嫁さんの入場!

ああ、なんだかフォーマルな格好をした人がちらほらいるなとは思っていたのだけど、結婚式だったのか。

いや、店員さんが「アルーサ(花嫁)の準備はできたか?」なんて大声で言っていたので、アルーサ?もしや、なんて思っていたのだけど。

貸し切りではなく、結婚式と言うよりは、テーブルの一角の食事会の規模だったようですが、音楽は完全に彼女たち用。店内のモニターでは「ハッピーウエディング!」なんて映像が始まりました。

写真のお客さんは結婚式とは無関係の、我々と同じ一般客。

オープンなエジプト人のこと、一緒に盛り上がるのかと思いきや、意外とそんなこともなく、数人の人がぱらぱら拍手している程度。

でも、そんなことはお構いなく花嫁はテーブルに向かい、音楽は相変わらず音が割れそう。

ああ、なんかエジプトだな。カイロだな。

食べ終わって外に出ると、さっきまでの事が夢のよう。

怒濤のお肉と爆音と花嫁。

それもきっとカイロのせい。

そうそう、このお店では、生の肉も売っていますよ。

おいしいソボヒーのお肉。試してみる価値ありそうです。


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