ラマダンのお菓子の一つに「アターイフ(カタイーフ、ガダーイフetc…)」があります。
イーストで発酵させた、しっとりとしたパンケーキのような生地を使ったお菓子で、大きく分けて2種類あります。
一つはパンケーキにナッツやチーズなどを包み、油で揚げてシロップに浸したもの。
もう一つは、生地にクリームを包み、そのままシロップをかけていただくものです。
アターイフの歴史は古く、10世紀に書かれた現存する最古のアラビア語による料理本「料理の書」にも登場します。
アターイフはこの本の第102章に登場し、生地の作り方と3種類のアターイフの作り方が紹介されていますが、そのどれもが揚げるという方法はなく、ナッツを生地に包み、オイルをかけ砂糖やシロップをかけて仕上げています。
時代は進み、13世紀の料理本「料理の書」のアターイフは2種類登場します。
一つは10世紀のものと同様、ナッツを生地で包みオイルとシロップをかけたものです。
もう一つは生地でナッツを包み、油で揚げシロップに浸したもの。
また、簡単な作り方として、生地にオイルとシロップ、バラ水をかけ細かく砕いたピスタチオを振りかける方法が紹介されています。
現在は直径10センチ弱のパンケーキ生地を半分に折り、半月の形にしたものが主流です。
パンケーキは専門店などで買うのが主流ですが、ホットケーキを作る感覚で簡単にできますよ。
作りたてはシロップの甘さがガツンと来るのですが、冷めると不思議と甘さが落ち着いて、2個3個と手が伸びてしまう危険なお菓子です。
材料 15個ぐらい
小麦粉…140g ぬるま湯…140g ドライイースト…小0.5 グラニュー糖 …小1
重曹…小0.5 水…60g
クルミ(砕く)…50g グラニュー糖…大1
花水または水…小1 (シロップ大さじ1でもよい)
シナモン…少々
揚げ油 シロップ ~シロップの作り方~グラニュー糖 2 カップ、水 1 カップを鍋に入れ、火にかけ沸騰したら弱火にして 10 分加熱する。レモン汁 小さじ 2 杯を加え、一煮立ちさせる。好みで花水を小さじ 1 杯加えてもよい。
作り方
①小麦粉、ドライイースト、グラニュー糖、ぬるま湯をよく混ぜ、暖かい場所で30分から1時間ほど寝かせ発酵させる。ブクブク泡立てば発酵完了。
②重曹を水でよく溶かし、①に加え、よく混ぜ合わせる。
③テフロンのフライパンを熱し、生地を大さじ2~3杯流し入れる。表面に穴があき、乾いてきたら取り出す。
④クルミ、グラニュー糖、花水をよく混ぜる。
⑤パンケーキの焼いていない面にクルミを置き、ふちを指でつまんで閉じる。
⑥揚げ油を170~180度に熱し、表面が黄金色になるまで揚げ、シロップに浸す。
生地はレードルやスプーンでフライパンに落としてもよいですが、ピッチャーなど注ぎ口が付いた容器に入れると作業が楽です。
生地を焼いたら乾かないように布巾などで覆い、冷めたらラップをしておきます。
シロップは冷まして、できれば冷たいものを使い、揚げたてのアターイフを浸しましょう。
最後の方はシロップがぬるくなってきますが、気にしなくても大丈夫です。
クルミの他、チーズ、クリームでも美味しい。
シロップがじゅわっ。
【追記】
生地の分量を見直しました。
小麦粉…100g ぬるま湯…150g ドライイースト…小0.25 グラニュー糖 …小2
重曹…小0.25
材料を全て混ぜ合わせ(ミキサーなどでしっかり撹拌するとよい)、30分から1時間程度休ませる。
こちらの生地の方が若干水分量が多くなっています。
焼き上がりの生地は薄くなりますが、よいアターイフ生地の模範例として挙げられる、表面の穴と、裏面の焼き色がきれいに出やすくなります。
パンケーキを半分に折り、クリームを詰めたものは「アサーフィーリー」と呼ばれます。
イシュタやカテージチーズや、リコッタチーズなどのクリームを詰め、好みでピスタチオで飾りつけします。
食べる直前にシロップをかけましょう。
素敵なアターイフライフを~。