サマルカンド中心部から北に車で30分ほどの場所に、イマーム・ブハーリー廟があります。
ブハーリーは、イスラム教に興味のある方はピンとくるかもしれませんが、主要なハディースのうちのひとつ『サヒーフ・ブハーリー』を編纂したハディース学者です。
ブハーリーは810年にウズベキスタンのブハラに生まれ、最終的にサマルカンドに亡命し、この地で眠っています。彼の墓廟は、博物館などが併設されるなど近年美しく整備され、参拝に訪れるウズベキスタン人にも人気のスポットだとか。
中心部に見所がこれでもかとあるサマルカンドで、特に日本人の観光客は殆ど訪れることはなさそうですが、イスラームに関心がある人にとっては足を運んでおきたいところです。
サマルカンド中心部から車でぐんぐん郊外へ。建物がほとんどなくなり、ぽつぽつ登場するノンを売る店を横目にビューンと車で30分。運転手がここだよ、と言うのですが、思ったより閑散としているな、まぁ、平日だしな、なんて思っていたのですが…。
ガーン。工事中。
調べてから行けよ!と思うかもしれませんが、特にそれらしきホームページや案内なども見当たらず(カイロ生活が長いので、むしろそんなものないのが当たり前、という感覚になっていることも否めませんが)。あとでグーグルマップを確認したら、最近は工事で入れないよー、という口コミが多数ありました。
でも、来て損した、という気分では全くなく。おお、ここにイマーム・ブハーリーの墓廟があるのね、と思うとイスラム教徒でも何でもありませんが感慨深いものがあるのです。
どういうわけか、絶賛工事中にもかかわらず、お土産屋さんは営業中。
平日なのもあってか、さすがに家族連れは見かけませんでしたが、明らかに工事関係者ではなさそうな人もちらほらいました。
英語を話せるお店の人によると、再オープンの時期は不明とのこと。何で来たの?ムスリムなの?と若干謎がられる一幕も(念のため言っておきますが、非ムスリムは来てはいけない、という意味ではありませんよ)。
お土産はイスラーム関連グッズが多く、カイロなどで見慣れたものも多いのですが、ブハーリーと名前の入ったTシャツなどはちょっとほしい…。
お土産屋さんも開いているなら、食堂も営業中。
昼食時をちょっと過ぎた時間帯にもかかわらず、食事をとる人もちらほらいました。
高い天井の風通しのよい店内は、大きなテーブルや、座敷が並びます。
メニューはおばちゃんが口頭で説明してくれました。シャシュリク(肉の串焼き)、ラグマン(トマト煮込みうどん)、ショルバ(具沢山スープ)。この日はシャシュリクとラグマンを選びました。あとはノンとお茶とコーラ。砂が舞う乾燥した地域ではコーラが格別なのです。
むわっと羊の香りと、ディルが効いた優しいトマトベースのうどん。
日本のうどんよりちょっぴり細めですが、意外にもコシがあり、脂多めのトロっとしたスープによく絡みます。
フォークで少しずつすくいあげて。
シャシュリクは挽肉とお肉を1本ずつ。
お肉は薄めにカットした赤身と脂身を交互に串に刺してあります。赤身の部分は食べごたえのある、いかにも肉の味!ですが、そこに脂の香りもついてしかもジューシー。うまいな。
定番のお茶。ウズベキスタンでは緑茶が好まれていて、食事中にも飲まれます。お茶は食後に、という感覚で今まで生きてきましたが、これもなかなかいいな。
ブハーリー廟の工事中は予想外でしたが、のんびり食事してなかなかよい時間でした。