ウズベキスタンの旅も、あっという間に終盤です。
タシケントには4泊の予定。ツアーやネットなどで見つかる個人旅行記などを調べると、多くの人はタシケントにはせいぜい1泊する程度であまり時間を割かないみたい。その代わり、でもないですが、今回我々が訪れなかったブハラやヒヴァなどを旅程に組み込む場合が多いようです。確かにタシケントには見所が少ない。と言うよりも、魅力的な世界遺産などは地方都市にあるのがウズベキスタンなのです。
しかしながら、わかりやすい観光地がなくても、いろいろなものが集まり、その間にある暮らしや、人の動き、歴史など、ぎゅっと集まっているのが首都や大都会だと思うのです。
もちろん、地方や田舎にそういったものがないわけではありません。そのこにはそこの良さや楽しみがあります。そこに行かなければ、そこのことはわからないわけで、でも、全てを見て回ることは不可能。結局のところ、私の興味関心は今のところ都会にあるということなのでしょう。
新たな町を訪れたら、真っ先に行きたいのがバザール。
タシケントには無数と言ってよいほどバザールがありますが、有名なのはチョルスバザールでしょうか。ガイドブックにも必ず載っているし、もちろん地元の人も買い物にやってくる現役のバザールです。
そんなチョルスバザールについては今度書くとして。
今回のバザールはタシケント南部の郊外にあるヤンギアバッドバザール。なんでもタシケント、いやウズベキスタン一の巨大バザールと言われています。
ここは日常的なバザールと言うよりも、蚤の市といった趣のバザールです。
敷地はかなり広く、屋台のような店を構えているところから、地べたに品物を広げて売っているところなどいろいろ。
品物も、ガラクタから、見る人が見ればわかるのであろう、値の張るアンティークまで、何でもあり。狙いを定めて出かけるもよし、お宝探しもよしのバザールです。
調理道具は至る所にあり、その中でも特にアルミ製の道具が多いように感じました。
こちらはかなりきれいに磨き上げられた鍋類。売られている品物はほとんどが中古品で、似たり寄ったりの商品も多いのですが、ここまできれいだと目がいってしまいます。値段は他よりも高めだったように思います。でもこれは労力がかかっているので当然と言えば当然。
中には、え!これ使った後洗っていないよね?的な鍋類なんかもあるので…。
この手のバザールやマーケットには、いろいろな国で行きましたが、蓋だけ、とか、リモコンだけ、とか、を売る店?はバザールには付き物。もちろんウズベキスタンでも。
ウズベキスタンの国民的柄と言うべき、ブルーの綿花模様の食器は、どこへ行っても見かけます。
こんなに同じような柄の食器が使われている国は他にあるのだろうか。
旧ソ連やチェコスロバキア製なんかの食器もザクザクあり、物欲が爆発しそう。
ガラス製品や真鍮もあります。
装飾品とあってか、日用品に比べると、きれいな状態で売られていることが多いです。
狭い道にひしめき合う人をかき分け進んでいくと、時折広場のような場所に出ます。
ガラクタに見えますが、真剣に品定めしている人が意外と多い。分解して部品として使うとか、関係のない人にとっては思いもつかない需要があるのでしょう。買い物ってだいたいそうか。
巨大なプロフ鍋が転がっていたり。
山積みの靴は自分でペアを見つけるのでしょうか。
このバザールには生鮮食品はほとんどないのだけど、ナッツやドライフルーツ、魚の燻製などの加工食品などはちょこっとありました。
種類豊富なドライアプリコット。
余談ですが、ウズベキスタンのホテルの朝食では、たいていドライアプリコットが出たのですが、これの美味しいこと。
泊まったのはいわゆる安宿ではないにしろ、手ごろな値段のホテル。そのようなホテルの朝食で、特別よいドライアプリコットを出しているとは失礼ながら思えないので、いたって普通のものだろうと思うのですが、日本で食べるドライアプリコットとは甘みや食感などが全然違気がするのです。
とは言え、私は特別ドライフルーツが好きなわけではなく、日本ではほとんど食べないので、そもそも比較できないのですが。
でも、今回のウズベキスタンを含めてこの辺りの国を訪れると、日本では考えられないほどドライフルーツに手が伸びてしまうのです。日本では、このドライフルーツ美味しいの!と勧められても、あー、美味しいけど、○○で食べた方がおいしいな、なんて生意気にも思ってしまうのに(言わないけど)。完全に外国かぶれ&嫌な人です。
外国で食べるドライフルーツが圧倒的に美味しく感じるのは、その土地の物はその土地で食べるのが一番だ、とか、旅行のテンションとか、いろいろ理由はあると思う一方、ドライフルーツに限ったことではなく一般的な話ですが、実は輸出している品の方が国内で消費されるものよりも高品質ということもよくあるので、これはもう自分の思い込みなのだろうけど。でもやっぱりおいしい。
野外の雑多な売り場をかき分けながら進んでいくと、倉庫のような建物がありました。どうやらアンティーク売り場は、この建物内にまとまっているようです。
古本や絵葉書、新聞や切手など、ソビエト時代の物も多くあるみたい。
食器類もここのものは新品であったり、状態の良いものが多いです。
アラビア文字の刺繍?の冊子もありました。
かつてはアラビア文字で表記されていたウズベク語。その時代のものなのでしょうか。
再び外へ。
巨大バザールともなると、いくつか食堂があります。
店頭ではシャシュリク(串焼き)を焼いています。いい匂い~。
もうおなじみのプロフ。ほんとうに、どこにでもあるな。
豪快に骨付きかたまり肉をごろんと使いますが、仕上がりは柔らかくなり、簡単にほぐれるほど。
揚げパンのような物も定番です。
バザールを奥に進むと、道幅がどんどん狭くなり、どん詰まりのようになるのですが、そのあたりで線路に出ることができます。
このバザールの歴史はわからないのですが、列車で運ばれてきた物資をそのまま売り出したのが始まり、なのかな?
もう何でもありのバザール。何周もしたつもりですが、多分全部見ていない、と思います。
強い日差しのせいかコントラストがあまりにも強く、眩しいほどに明るく鮮やかな部分と、その明るさを見た直後では真っ暗で一瞬何も見えない影の部分との対比が強烈。
そう言えば、食器を買ったら、このような服の山の中のTシャツ(一応?売り物)でくるんでくれました。梱包材にもなる売り物、なかなかよい。微妙に湿ったTシャツだったけど。
あ、窓もあります。
なんでもあるな、ヤンギアバッドバザール。