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【ギリシャ】デルフィ遺跡でグリークサラダについての思考

更新日:2023年2月11日


首都アテネから車で約3時間。ギリシャ中部の「デルフィ」は、パルナッソス山に沿うように広がる小さな町です。ここは、紀元前8世紀頃に繁栄を極めた古代都市「デルポイ遺跡」があります。

アテネからは、中心部より北にある「リオシオン・バスターミナル」からデルフィ方面にバスが出ています。

4年前の同じ時期にギリシャを訪れた際は、ちょうどバカンスシーズンでパルテノン神殿などはイモ洗い状態。今回も結構混んでるに違いないと、予めネットでバスのチケットを予約しましたが、意外とバスには空席がありました。アテネから日帰りで行けるので、ツアーに参加して訪れる人も多いのかな。

アテネを抜けると、山沿いの道に入ります。スカッと突き抜けるような眩しい緑と、険しい山々が夏の気分。ギリシャと言えば青い海や美しい島を想像してしまいますが、こういう景色もいいではないか。そうそう、冬にはスキー客で賑わうみたいです。

デルフィの町は、車が一台通れるくらいの一方通行の道が、山の斜面に沿うように5本ぐらい並んだ町です。小さいながらも、一大観光地がすぐ脇にあるだけあって、レストランやホテルが多いのです。こういう町に住む人々の暮らしってどんな感じなんだろう。

道と道との間は階段や急な坂道で結ばれています。うだるように暑い夏の昼間は、人通りは少なく、そんな時間に町をウロウロしていると、何だか地に足が付いていないような、不思議な気分になるのです。

階段や坂道を上ったり下ったり。古びた建物や扉に遭遇すると、思わず立ち止まります。

ところで、こんな観光地のレストランはどうかなー、と、ちょっと警戒してしまいませんか。

以前アテネでガイドブックにも載っているお店などにも行ったりして、ちょっと食べられない位いまいちな料理にも遭遇したりして。ギリシャに限らず、日本語メニューありますという、観光客向けのお店で美味しかったことってあるかなぁ。最近ではガイドブックに載っているお店は、私の中では行ってはいけないリストと化しているほどです。全部ではないけどね。

で、警戒して入ったレストランですが…。

まずは定番、田舎風サラダという意味の「ホリアティキサラタ」。いわゆるグリークサラダです。ギリシャのチーズ「フェタチーズ」のスライスがドドーンとのっています。ドライオレガノとオリーブオイルがチーズに合っておいしい。

野菜が美味しいのは言うまでもなく。

ギリシャ滞在中に何度かこのサラダを食べたのですが、そう言えば、だいたいこのチーズは、野菜の上にスライスした大きい状態でのっているのです。ギリシャ以外の国でのグリークサラダは、チーズはサイコロ状になって、野菜に軽く混ぜ込まれている場合が殆どだったと思うのですが、本場ギリシャではスライスがお決まりなのでしょうか。

チーズ自体はボソッとしているので、簡単にフォークで崩して食べられるのですが。

ちなみにギリシャ語で「ホリアティキサラタ」と画像検索してみると、スライス、サイコロ、どっちもあるー!と言うことは、どっちでもありってこと?地域によって?家庭とレストランの違い?それとも伝統的にはスライスだけど、最近はね、っていうパターン?最後の説だと、例えば、冷や奴は大きい豆腐のまま盛り付けるのが普通だけど、最近はオシャレに一口大に切った冷や奴がインスタ映え!みたいな感じで、そんな“ムーブメント”や“インフルエンサー”や、何だかよく分からない横文字の冷や奴シーンに、違和感を感じる層もいたりして、と、妄想が止りません。

こちらも定番「サジキ」。ヨーグルトときゅうりのサラダです。シリアなどアラビア語圏では「ラバン・ビ・ヒヤール(ヨーグルトときゅうり)」だったり、トルコは「ジャジュク」、ブルガリアなどは「タラトゥール」など、呼び方はそれぞれですが、きゅうりとヨーグルトの組み合わせは多くの地域で好まれています。

ギリシャのヨーグルトは一般的に濃厚なので、他の地域のそれよりもよりクリーミー。オリーブオイルと一緒にパンにつけて。

ギリシャのマハシー「イェミスタ」は、お米とディルの優しい味。まるごとお米が詰まっていますが、トマトのジューシーさが心地よく、意外とペロッと食べられてしまうんです。

ギリシャ料理と言えばの「ムサカ」は、ナスや挽肉、ベシャメルソースを重ねてオーブンで焼いた料理。これは嫌いな人いないですよね!

どっしり重い料理のイメージでしたが、ここのは、心なしか軽め。脂控えめなのかな。

アラブ料理にもムサカはありますが、ベシャメルソースはかけません。ナスのトマト煮込みのようなイメージです。

シンプルな串焼き「スブラキ」は専門店やファストフードでも食べられます。だいたいどこのスブラキも、きっちりしたキューブのお肉なのですが、大きな塊のお肉に串を何本か刺して、その後切り分けて作るみたいです。ほうほう、効率的で、形もそろっていい方法。

この頃には警戒していたことなどすっかり忘れて、夏の生暖かい風に吹かれながら、ちょっとぬるくなってしまった白ワインの残りを飲み干しているのでした。

肝心のデルフィ遺跡は、見所のひとつ「円形劇場」。紀元前4世紀に作られ、現在も夏には特別に催しが行われているんだとか。舞台の後ろに広がる絶景。2400年前も同じ景色だったのだろうか。

アテネから近いこともあって、この町で宿泊する人はそんなに多くないようですが、山肌にせり出したホテルのベランダからみる景色はもう!

暑い昼間はキリッと冷やしたギリシャワインをベランダで飲んで、昼寝して、遺跡は早朝に行くのがおすすめ。

夕暮れにはビールで一杯。デルフィビールはシトラスの香りがするクラフトビール。ゴクゴク飲むと言うよりは、味わって愉しむタイプです。

で、ここのご当地ビールかと思いきや、なんとデルフィーとは全く関係がないようです。イタリア人とギリシャ人の2人のビール愛好家が始めたようで、醸造所はハルキスという町にあるよう。でも美味しいからいいか。


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