ウナギ。ふっくらした身に、甘辛いタレ。ご飯にのせて山椒を振りかけて。
日本では開いて蒲焼きにして食べることが殆どですが、世界には意外にも様々な調理法で食べられています。
例えばイギリスのウナギのゼリー寄せ。ちょっとゲテモノ扱いで、最近は食べる人が激減している様ですが、18世紀頃に誕生した歴史ある料理です。
エジプトでもウナギは食べられていて、どこの魚屋さんでも大抵見かけます。が、ニュルニュル蛇のよう、と気持ち悪がって食べない人が多い模様。
私の周りでも、今まで一度も食べたことがない、という人が圧倒的多数なのです。
でも、よく売っているし、魚レストランでもメニューに載っているところが少なくありません(いつもあるかは別ですが)。食べる人は結構食べているのかな?
一番多い調理法は、ぶつ切りにして揚げるという方法。ニンニクやスパイスでマリネして、小麦粉を付けて揚げるという、豪快な料理です。
ウナギのグリルは、ちょっと珍しいのではないかな、と思うのですが、レモンとディルが効いていて、意外にもさっぱり。開いて骨を取ってあるので食べやすいです。
そして、私がエジプトで食べて感動したのが「ウナギのターゲン」。モロッコのタジンが有名ですが、エジプトのターゲンとは、オーブン煮込みのことで、大抵はトマトソースで仕上げています。あの三角帽子の蓋の鍋は使いません。
これがもう!ウナギのうま味がトマトソースに溶け込んで、ウマー!どんどんパンがススムのです。初めて食べたときは、あれ?ウナギ?(当たり前ですが)と、脳が混乱しそうになったのです。と言うのも、ウナギなんて今まであの甘辛いタレの蒲焼きぐらいでしか食べたことがなかったので、ウナギ?タレは?みたいな、ちょっと不思議な感覚だったのです。
かなり前に作ったウナギのターゲンですが…。確かこのときは玉ねぎ、クミンとコリアンダー、トマトペーストを炒めて、ぶつ切りのウナギと水を加え軽く煮て、耐熱容器に移してオーブンで焼きました。ぐつぐつ、ソースの中から肉厚のウナギ。今でも写真を見るとゴクリとしてしまうほどです。
ウナギを直接耐熱容器に並べて、その上にソースや具材をのせてオーブンに入れる方法もあるみたいですね。
今回はオーブンに入れずに、お鍋で仕上げるトマト煮込みを作ってみました。
日本では生のウナギは手に入りづらいですが、白焼きで代用できるかもしれません。ちょっともったいない気もしますが…。
材料
ウナギ 500g
玉ねぎ 100g
トマト 200g
トマトペースト 大1.5
ニンニク 2かけ
クミン 小さじ1
塩、こしょう
油
ウナギの処理を魚屋さんにお願いすると、べろーんと皮をはがしてくれました。上のウナギのターゲンの時は皮付きで料理したのですが、皮は取り除くのが一般的なようです。
作り方
①鍋に油を熱し、みじん切りにしたニンニク、玉ねぎをしんなりするまで炒める。
②トマトのみじん切りまたはジュースにした物を加え煮詰める。
③水、クミン、ぶつ切りにしたウナギを加える。
④塩、こしょうをし、30分程煮る。
⑤皿に盛り、好みでオリーブオイル、ドライオレガノを振る。
ちょっとアレンジ。
うな玉風?卵を落としてみました。
エジプト人からしたら、あり得ない組み合わせだと思いますが(宗教的な慣習ではありませんが、海の生き物と陸の動物を一緒に食べないという食習慣があります)、トマトソースと卵、合わないわけはありません!
ひとつ正直に言うと…、今回のウナギ、結構ブヨっとしてまして。いや、最初の皮剥ウナギを見たときから、うっすら思ってはいたのですが。もうちょっと身が締まっている方がおいしいです。養殖なのか、日本のウナギとは種類が違うのか、まだまだウナギ素人の私には見極めができませんが。もっとスラッとしたウナギで再チャレンジしなくては!